介護職 看取り 社会的地位 専門性 賃金アップ

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いつもご覧いただき、ありがとうございます。
数日ぶりの更新の本日は、ちょっと真面目な話をしていきたいと思います。

現在、SNSなどで話題となっている介護施設における看取り。
介護職員の社会的地位の向上。
そして、賃金アップについて。

いろいろな方のご意見をTwitterなどで見ていて、それぞれにお考えがあり、その意見の周辺には賛成も反対もあることを理解した上で、私なりの意見を書いていこうと思います。

看取りについて

まずは、介護施設における看取りについてです。
結論からいいます。
僕はこれを選択肢のひとつとして提示できることが重要であり、看取り対応ができるかどうかで、職員や施設の価値は決まらないと思っています。
看取りできる介護員でありたい。
看取りができる施設すごい。
なんて、ちっとも思いません。

なぜか。
施設で看取りができることって、利用者本人やご家族にとって死に場所を選ぶ際の選択肢が増えるから重要なんだと思うんですよね。
「こんな施設で死にたくない」と思ってる方に対して、どれだけ尽くした対応をしたとしても、それは本人の望んでるものにはなり得ない。
だって、そこで死ぬこと自体が嫌なんだもの。

例えば、死ぬときは自宅が良い。っていうんなら自宅がベストなんだろうし。
とにかく痛みや苦しみから解放されたい。と願うなら医療施設(病院含む)での対応が必要でしょう。
仮に、本人や家族が1分、1秒でも長く生きたいと願うなら?

医療従事者や介護施設職員からすれば、「苦しみを延長させてしまうだけ」の状況であったとしても、自分の身内の死期が近づいている時に「じゃあ、静かに見送ろう」とは、なかなか言えないですよね。
そんな時に、我々がするべきことは情報を伝えることだけだと思うんですね。
医療従事者から、今、置かれている状況や、今後の見通し。
対応可能な処置と、それによる弊害。
それこそ、痛みや苦しさが酷い状況であるなら、それを伝える。
それに対して、痛みや苦しみを取り除く方法を伝える。
その方法を実施した場合の弊害(例えば、意識が混濁してしまい意思の疎通は行うことが難しくなるとか)も伝える。
結果として選ぶのは本人もしくは家族でしかありえない。

そこに、医療従事者も介護関係者も踏みいれる余地はないんじゃないでしょうか。

事実として「苦しみを延長させてしまうだけ」ということを一度、お伝えしたうえで家族が延命を望んだ時に、それ以上は必要なのでしょうか?
私には理解できません。

ただ。
利用者本人に全く身寄りがない場合があります。
私がいた養護老人ホームでは多かったです。
一切、身寄りがない。
知人もいない。
緊急の連絡先もない。

そんな場合には介護施設職員の役割は大きくなると思います。
普段から、本人の希望を知っておくこと。
医師につたえておくこと。
職員で共有しておくこと。
実際に本人の死期が近づいてきた場合の対応も当然、必要ですよね。

でもね。
そんな場合でもない限り、介護施設やスタッフは主役でなくていいんじゃないでしょうか。
介護職が主体的に看取りを進めるって、おかしいですよ。
利用者が終末を自身の想いに近い形で過ごすための黒子じゃダメですか?

以前にも記事に書いたことがありますが、
僕は介護職員は受動的であるべきだと思っています。
介護職員が望む看取りを利用者に押し付けるんじゃない。
利用者が望む終末を知って、それにできるだけ近い形にできるよう対応することが施設での看取りじゃないでしょうか。

もちろん、利用者が望む終末の形を知るためには、介護職員は主体的に動く場面もあると思います。
でも、看取りそのものの主体は利用者。家族。
あくまでも、その意思の下で、意思を受けて動く。
看取りに限らずですが。
利用者本人の意思を受け、動く。
介護職員の意思に沿うように利用者を動かすわけじゃない。

だから介護職員は受動的であるべきだと思うんです。

社会的地位について

つづいて。
「介護は誰にでもできる」
この言葉の是非に始まり、介護職員の社会的地位の向上についてもよく議論がなされています。

疑問。
そんな低いですか?
馬鹿にされてます?

僕自身、15年前は「男の人が介護って、優しいんだね」とよく言われてました。
それに対して、「優しいかどうかは別だし、介護職って知られてないなぁ」とは思いました。
が、別にその時点でも社会的に下に見られてるとは感じませんでしたし、現在もそれは変わりません。
プライドもって介護福祉士を名乗ってます。

社会的地位が高い職種ってどんなかな?って考えてみたんですが、
・政治家
・医師
・弁護士などの士業
・成功している経営者
などでしょうか・・・。

社会的地位が低いって、それに比べて介護職の扱いが悪いってこと?

そりゃ、そうでしょw
だって政治家は選挙で選ばれなければなれないし。
医師だって、弁護士だって考えられないほど勉強して努力して、とんでもなく難しい(知らないけどw)試験をパスしないとなれないし。
経営者だって、数多くの中で成功してる人は、ごくわずかだし。

そうやって考えると、社会的地位って、その職務に就くための間口であるていど決まってるんじゃないですかね?

それなら、介護職はそりゃ低いでしょうよ。
無資格でも就職できるところは多くあるし。
面接に来た人が常に全員採用される施設もあるし。

そういう意味では介護って誰にでもできる仕事なのは間違いないでしょ。

でも。
誰がしても良い仕事なわけじゃない。
僕はそこに、プライドを持ってます。
介護の仕事に就くことは誰でもできる。
でも、より良い介護を求めて、この仕事を継続できる人は、そう多くいない。
そういう人が利用者から必要とされる介護職員になっていくんでしょ?

自分はそうありたい。
だから介護福祉士であり、介護に携わる人間としてプライドもってます。

最近、総合病院なんかに通院の付添で行った際に、医師から「お孫さんですか?」と問われるので、
「保険外の介護サービスをしてる、通院の付添人です」と答えても、ちゃんと家族の代理として扱ってくださって、
しっかり話したり説明したりしてくれる場面が増えました。

そう考えると、介護職の社会的地位、思ってるほど低くないんじゃないですかね?
正直、どうでもいいんだけどねw

ちなみに。
社会的地位が低いって、本気で思ってる方は、どの職業より上で、どの職業より下だと納得するんだろ?
「どの仕事も大変。」お互いに、おつかれさまじゃダメなの?

専門性

3つめ。
これもよく話題になってる。
介護職の専門性について。

介護職員は医療従事者じゃない。
だから、医療的にどんなに知識を得ても、それは専門性とは呼ばない。
知ってるだけ。
その知ってるだけはすごく重要だと思うし、勉強する人好きだけど。
なんなら、医師や看護師に教えて教えてって、クレクレしてるけどw

僕ら介護職の専門性?
介護にきまってんじゃん。
家族がする介護t一緒じゃない。
より高次元な介護。

プロ野球選手の専門性ってなに?
野球がとんでもなく上手なことだよね?
僕らが公園でしてる草野球とは次元が違う。
誰でもできるわけじゃない野球だよね?

なら、介護もそれでいいじゃん。
ニセ医療従事者になる必要ないし。
医療のことは医師や看護師をはじめとした医療従事者に聞けばいいし。

でも、医師にも看護師にもできない介護はしようよ。
時々、看護師は介助もするから介護福祉士は看護師の下位互換なんて聞くけど。

あり得ない。
僕は、介護においては絶対に多職種に負けない。
医師でも弁護士でも教授でも政治家でも。
もし万が一、負けてたら、そこを勉強して負けなくする。

そうやって介護の専門家になる。
なっていく。
今より更に高次元に。

賃金アップについて

これは、全国平均がわかんないからなぁ・・・。
でもね、
「介護は割にあわない。」
「こんな低賃金でやる人はいない。」
は聞きたくない。

僕は、15年程度しか介護職員をしていないけど、賃金に関しては不満は一度も持ったことない。
断言する。
むしろ、自分の仕事の内容が給料に見合ってるのか、ずっと怖かった。
だって、忙しい日も、比較的落ち着いてた日も給料は変わらない。
異動初日も移動して364日経った日も給料は変わらない。
何をしたから◎円で、何個作ったから◎円。何個売ったから◎円って世界じゃない。

みんな、どうやって自分の現在の仕事が、確実に給料以上だと判断してるんだろう・・・。

他の仕事をすれば、もっと稼げる自信があるからなのかな?

正直ね。
給料、たくさんもらえるのは嬉しいですよ。
でも、上に書いた
・割にに合わない
・低賃金でやる人はいない
って、自分たちで社会的な地位を貶めてませんか?

いいじゃん。
もっとたくさん給料ください!だけで。
その理由に、介護の仕事はひどい環境で、辛い仕事でって嫌なことばかり宣伝するのは、ちょっと悲しいと思いません?

僕は好きで介護してたし、好きで保険外の仕事始めてるので。

最後に

まぁ、長々と書いてまいりましたが。
介護施設の人数が足りてなかったり、大変なのは重々承知しています。
こんなこと書くとキラキラだと言われるのかもしれないです。
けどね。

嫌なの?介護の仕事してること。
不満なの?介護職であること。

好きなんなら我慢しろとか、そういうことじゃなくて。

介護職を取り巻く環境が良くなっていくことは大歓迎。
もっと知ってほしい。
僕らができるすごいことも見て欲しい。

その結果、介護職の社会的地位が向上して欲しい。
面接なんか選考されるほど、なりたい人が増えて欲しい。
そうすれば、社会的地位も給与も当然、あがるから。

なので。
僕は、周囲から見て「楽しそう」と思える介護を町で振りまいていきます。

キラキラしててごめんなさいね。
でも、好きなんで、介護。

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