今更考える【介護施設での自立支援とは】

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おはようございますm(__)m
いつもご覧いただき、ありがとうございます。

今日で3日目の毎日更新。
どこまで続くかわかりませんが、とりあえず今日も書いて行こうと思います。

で。
今日のテーマは今更ですが改めて【入所施設での自立支援とは】です。

福祉・介護に携わった方なら必ず耳にしたことがある自立支援。
でも、これ意外と本を読んだり、研修に行ってもそれぞれに解釈の方法があるように感じます。

それを踏まえた上で僕なりの考えを書かせてもらおうと思います。

大きく別けて3つある【自立支援】についての解釈

先ほども書いたように、研修の指導者や本の執筆者によって同じ【自立支援】という言葉について解釈の違いが感じられます。
どれが正しい、どれが間違っているという判断はできませんが、まずはそれぞれの解釈について書いてみたいと思います。

解釈⓵「要介護度の維持や改善=自立支援」
介護保険という制度を重視した解釈ではないかと思います。
介護保険の制度上、要介護度が重度化することは人手や介護するための労力がより必要となると判断されていることは、単位数の増加からみても明らかです。
であれば、要介護度が維持もしくは改善されていれば重度化していない。
それこそが介護保険制度上の自立支援である。という考え方でしょうか。
解釈⓶「ADLの向上=自立支援」
ADLの自立性の向上がQOLの向上につながるという解釈のように感じます。
ADLの向上は要介護度の改善に繋がりそうですが、要介護度を決定する基準は必ずしもADLの自立性と直結しているとは言い切れず、部分的な相関関係はあるもののイコールとは言えません。
この解釈で言えば、ADLの自立性の向上からQOLが向上て行った結果が自立した生活へと結びつく。
そのための過程が自立支援である。ということでしょうか。
解釈⓷「選択権の尊重=自立支援」
少し不思議な言い回しになってしまいましたが、ADLの低下や要介護状態の重度化により「自分で行う」という意味での自立性が損なわれたとしても、
他者による補完によって「以前の生活に近い生活を送ることができる」。
また、その際には利用者本人の意思を尊重する(選択する権利を尊重する)ことによって、自己決定の上での生活を送ることができることが自立支援である。と感じています。

それぞれの解釈について

これまでに研修に参加したり、本を読んだりしてきた経験上「自立支援」についての解釈については大まかに上記の3つがあるように感じました。
ただ、最初にも述べた通り、どれが正しい。どれが間違いという判断はできません。

なぜなら部分的にはそれぞれが合致していますし、場合によっては対立した考え方になり得るからです。

解釈⓵について言えば、要介護度はいかに基準が明確であろうとも最終的に「人が見て決めた」ものである以上、絶対的なものではありません。
本人の状態はほぼ変わっていないけれど、要介護度が変更になることもあるでしょう。
それが良い悪いではなくて、あくまでも「介護にかかる費用を明確に決定するための数値」という側面も持っている以上、
要介護度の改善=本人にとっての自立性の向上とは言い切れない場合もあると思います。

解釈⓶についてもADLの改善が見込まれない方については、自立支援はできないという結論になりかねません。

解釈⓷も選択権の担保と、他者の介入によるQOLの維持が結果的にADLの低下を招いてしまう場面もあり得ます。

ある意味、どれもが正しい。でも、どれも完全ではない。
といったところでしょうか。

入所施設での自立支援とは

ここまでに、自立支援についての3種類の解釈について書いてきました。
でも、結論もなにもない。
結局、どうしたらいいの?何が自立支援なの?と。

もし、そう思って頂けたなら僕の思う通りです^^

なぜかというと、3つともおそらく正しいからです。
でも、偏りすぎると上で書いたような弊害も起こりかねない。

それぞれの解釈は施設での業務に直接的に影響します。
介護する目的、方法論、優先順位。
これらを決定する時に、3つの解釈のどれを重視しているかによって意見が割れることもあると思います。

その上で僕は理想で言えば、それぞれの解釈のパワーバランスが均等的な施設が1番望ましいのではないかと思っています。
(施設で決めごとをして、前に進むための労力は大きなものになるでしょうが・・・)

利用者一人一人に対して、場面によっては上の解釈⓵~⓷を使いわける。
そうやって対応していけば、結果として【自立支援】に繋がっているのではないかと。

ただ、これを職員が一人で抱えるのは困難なので、それぞれの考え方の人同士で話し合うことがきるのが理想かなと。

ある意味、そうやって
どうすれば自立支援になるのか。
なにが自立支援なのか。
を考え、決定し行動することが【自立支援】ではないかと思うんです。

逆に、唯一、自立支援ではないと言い切れるのは
「自立支援?そんなの知るか。忙しくてそれどころじゃないわ。」という職員のみで構成されてしまった場合じゃないでしょうか。

医療の進歩ってすごく言われますけど、介護だってまだまだ成長途上です。
所詮、人が人にしていることです。
今、正しいと言われている行いだって、10年後には間違いだったと訂正されることもあるでしょう。

それでも、「自立支援ってなんだ?」と、時々でいいから振り返ることで近づいていくことができるのではないでしょうか。
(実際、忙しい中で常時それだけを考え続けるのは不可能ですよね)

最後に、僕は施設勤務時代に若手職員と話をする時に
「自立支援ってどんなことだと思う?」という質問を投げかけてきました。
それに対して、上の解釈の中にあるような答えが返ってくるのがほとんどでしたが、意地悪な僕はそれぞれの弊害が当てはまりそうな利用者名を挙げて
「じゃぁ、〇〇さんに対してはどうするの?」と聞き返してきましたw
また1週間後に聞かせてねと言葉を添えてw

別に自分と同じ考えに至る必要はないと思ってます。
ただ、考えることはして貰いたい。

忙しい業務の合間の一瞬でもいい。
どうすればより良い介護につながるのか。
どうしたら自立支援になるのか。

近日中に、以前の後輩と食事の約束があります。
その時に、彼がどう答えるのか改めて聞いてみたいと思います^^

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