福祉施設での防災マニュアルについて

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皆様、おはようございます。
しばらく、更新が滞ってしまい、申し訳ありません。

また、台風19号に被災された方の安全と、今後の生活が少しでも早く安心して行うことができるようお祈り申し上げます。

さて、先日から報道にて川越キングス・ガーデンでの避難の対応や、普段の訓練について論じられています。
なによりまず、職員さんも含めて被災された状況であるにもかかわらず、対応されていることに関しては、当然、称賛されてしかるべきだと思いますし、
本当に素晴らしいと思います。
今、なお、大変な状況であろうと思いますが、どうか、ご無事に。という想いでいっぱいです。

しかし、一つだけ心配なことがあるのです。

それは、この対応を見た、他施設が「あの対応を取り入れよう」となってしまうことなんですね。
なぜか。

簡単に言ってしまうと、それぞれの施設の環境が違うからですよね。
今回の施設は2F建て。4棟あって、利用者・職員含め220名が居たということなんですが、
例えば、2F建て、1棟、利用者80名・職員5名の養護老人ホームでは?
平屋、2棟、利用者18名・職員4名のグループホームでは?

対応って、当然違ってきますよね。

なのに、同じ対応を目指してしまう。

こんなことが起こる理由の一つに、「現場の声が反映されないから。」という理由があるんじゃないかと思うんですね。
なぜなら、マニュアルの作成者が事務方な場合が多いからじゃないでしょうか?

行政からマニュアルの整備について通知なり、連絡なりあった場合、まず目にするのは事務方です。
そして、事務方は施設長含む管理職に回覧する。
管理者から事務方に作成指示がでる。
事務方は作成する。
施設長確認の後、全職員に伝達する。

こんな流れになってないですか?

行政からの通知文書を全職員に回覧する施設って、そう、多くないんですよね。(内容にもよりますが)

で、大抵の場合、できあがったマニュアルは現実を完全に無視したものになってるんですよ^^;

例として。
マニュアル:
夜間想定停電対応「夜勤者2名及び夜警員1名で、1F利用者30名が全員が2Fに避難する。」
現実   :
停電によりエレベーター停止。3名の職員にて寝たきりの利用者30名が階段で2Fに上がるの?
とかね。

ベッドで2Fに避難。と書かれたマニュアルのある施設で、エレベーターにベッドが入らないんですが・・・ってのもありました。

で、何が言いたいかというと。

マニュアルってなんのためにあるの?ってことなんですね。

少し、偏った解釈だし、ご批判もあろうかと思うんですが、

「職員を守るため」にあるんじゃないかと。

もちろん、緊急時の対応で、被害を出さない、最小限におさめることは大事な目的です。
が、それは100%ではあり得ないんですよね。

どうしても、想定外の事態って起こってしまう。

だから、まず、対応する職員ができることを書いてないとダメだと思うんですよ。

当たり前ですよね?
でも、できてない。
どこかの施設を参考にするのは良いですよ。
ただ、あくまでも参考にするのは。です。

災害などの緊急時、全てを個人が判断して、決定するのは負担が大きいし、責任が重すぎますよね?
だから、事前にできるだけ多くの人数で、考えに考えて決定しておくんです。
それが、マニュアルだと思うんですよ。
それに従うことが、現在可能な最も正しい対応になるべきものです。

そこに書いてあることを行うことが職員の義務であり、逆に言えば、マニュアルに記載してある対応をした上で起こったことは、
個人の責任として考えられるべきものではありません。

しかし。
実行不可能なことが記載してあれば、マニュアルに従って行動していない=個人の責任になってしまいます。

それでは、意味がない。

マニュアルは緊急事態から可能な限り、安全を確保するためにあることは当然ですが、同時に
職員を守るものでなくてはなりません。

介護職員のみなさん、本当に今のマニュアルは、自分も守ってくれますか?

それ以前に、マニュアルの内容を把握していないのでは、もちろんダメですがw
一度、熟読してみましょう。
そうして、現場スタッフで、その行動が本当に可能か、検討しましょう。
検討して、不可能な事が記載してあれば、作成者に伝えて変更をしましょう。
できることなら、マニュアル作成に携わりましょう。

そうした上で、人命を救うことができ、なおかつ、スタッフを守ってくれる。
そんなマニュアルを目指しましょう。

 

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